自分の居場所はどこか
平面の居場所から・・・吉原和恵さんとのコラボレーションです。
平面作品に込められた時間とエネルギー
平面の集積である本
肌理として認識する平面の連なり
平面の居場所から様々な様相が織りなされる
平面を見つめる「自分」
平面を眺めている自分を見つめているもう一人の「自分」
平面を見つめる「自分」を見つめている他人
その「他人」をも意識している「自分」
一連の意識の中に漠然と浮かびあがるもの。「空間」とよべるものだろうか。
我々の居場所は日常生活のなかにこそある。
誰かによって表現されたりするものではなく、個々人の各々の関与の仕方が「居場所」を感じることができるのではないだろうか。
きわめて個人的・主観的なこの「居場所」に関する感性の所在を探すことから始めようではないか。各自の虚構性と物語性の復権。
多様な価値観の混在する現代の「世界」を生き抜くため。
壁面にはアート作品が展示されている。フレームを通してあるいは鏡面を通してさらいは見上げた位置に展示されている。
平面の集積である書物には著者の書き記した時間(通常書物の最初に掲載される「はじめに」が時間的には最後の内容であるという構成)や購入者の意図あるいは読書に費やした時間、そして読者の身体化にかかる思考の熟成期間が織り込まれている。
書物を手にとることはその時間的織物を探る事になる。
建築図面という平面も同様である。立体スタディーとして作成された無数の模型から抽出され技術的な検討をなされた書き落とされた内容・時間を含むとともに、設計者の意図や建築主の希望も含んでいる。さらに建設後の未来への手紙ともなっている。
観察者の視点の移動によってそれぞれのアート作品が視野に飛び込む。
日常の生活のなかで床の間に花器や掛け軸、生け花等のレイアウトを決めるように配置そのものはレイアウトの裏に潜んでいるある意識を反映する。
ここではその観察者もレイアウトされる一つのオブジェとして吸収される。
第二自己の再発見。
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